「なくもんか」を観た2009年12月22日 21時36分34秒

たしか、公開初日に仕事が休めたので観た気がする。
こないだもう一回観ようと思ったら、行った映画館でもう上映してなかったので、ずいぶん前だな。

阿部サダヲ主演で観ないでか!って感じですよ。
公開前に大人計画の「サッちゃんの明日」って舞台を2度見に行ったんですが、その時に阿部サダヲ氏サイン入りポストカード付きの前売り券が売られてたので、そりゃ買いますわなー、と購入。
それで公開初日に忘れないうちに…と観に行った。

惣菜屋の店主のお話。
仮に惣菜屋の主人悲喜こもごもを家族愛込みで他のなんか男前だけど、意外と前掛けしてダサめの髪型にしたら惣菜屋に見えなくもないかな…てな俳優を据えてノスタルジックな感じでしあげて、あんな奇抜なエンディングを持ってこないで映画にしたら、すごくありがちだし、「感動しました!」って普段映画観ないけど、某大手アニメ作家のとマスコミで大絶賛されてるのだけは観ます、的な人を大満足させることは可能でしょう。最近ノスタルジックなのとか、地味な職業の主人公の生活的な映画続いてるし。

そうは問屋がおろさない、というのが見所なんじゃないでしょうか。私、そういう映画つまんないから観ないし。

いろいろと面白かった(藤村俊二とか爆笑した)んですが、「ハイ、めでたしめでたし」にしなかったところが一番好き。
孤独とか恐怖とか狂気とか、人間の奥底にずっとあるものって、結局抱えて生きてくしかないじゃないですか。
簡単に手放せるものなら、みんなさっさと捨てちゃってるでしょう?
抱えたまま他人と家族とうまく共存する。これしか手がない。

主演以外では塚本高史がよかった。この方若くて美少年すぎる頃より、ちょっと脂が乗った感じでむちゃくちゃ色っぽいです。すべての出演作を観ているわけではないけど、自分の観た中では今回の役すごくいい。こういうキャラ大好き。陣内さんもよかったな。

ところで、ハムカツって食べたことありますか?
私はないんですよね。おいしいんですかね?
パンフレットのハムカツのレシピが載っていたようなのですが、買わなかったんですよね。
この映画を観て以来、総菜屋を通るとハムカツがないか見てしまいますが、一向にみかけません。
かわりに紅ショウガの天ぷらとか見つけちゃうけど。
天神橋商店街まで食べにいこうかしらん。

一人暮らしなので、揚げ物年に数回しかやらないな。でも天ぷら鍋はふんぱつしてリバーライト使ってたり…。日本製!鉄製!きちんと使ってれば数十年は保つらしい。これとか鉄のフライパンとか育てる楽しみみたいなのがあります。

「サマー・ウォーズ」を観た2009年10月07日 21時17分27秒

夏は過ぎてしまいましたが、ずっと観たかった「サマー・ウォーズ」を観た。
最寄りの劇場の公開が今週で終わるので、ぎりぎりセーフ。

面白かった。
ネット上の仮想空間でいざこざがあったり、というのは、攻殻機動隊なんかが好きだと、あっさりと受け入れられてしまう設定で、斬新!とは思わなかったんだけど、ともかくデザインが素敵でした。
空間やアバター達もいいんだけど、キングカズマのかっこよさったら!

現実の舞台の家と家族のようすも、とてもよかった。ああいう団らんは手に入らないからこそ憧れるのかなぁ。実際は親戚なんか集まるとうっとうしいったらないでしょ。(そう思う自分が悲しいのですが)

 その他感想

主人公が数学好きで、その好きなもので問題に立ち向かうというのがよかった。なんで数学が好きなのかはよくわからなかったけど、たまたま与えられていた何らかの力ではなく、好きな物でがんばるってところが…。

ヒロインはよくわからなかった。声が嫌だった。

幼児が3名居るんだけど、動きがかわいかった。

田村たがめさんの声を確認したかったんだけど、お嫁様軍団があまりに自然でわからなった。
(カズマのお母さんでした)

主題歌がすごい。

ノベライズを読むと主人公がなぜ数学好きなのかとか、ヒロインがどんな人格なのかわかるようです。読もうかな、と思う。
あと「時をかける少女」を観ていないので、観てみようかな、と思った。

(ネタバレ感想)「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を2回観た2009年08月14日 10時39分09秒

公開当初に一度、昨夜仕事帰りに二度目観てまいりました。
レイトショー待てば、もう一回観られたんだけど、諦めましたわ。
また今度。

「序」も2度しか劇場へ行けなかったので、「破」はせめてあと一回はいっときたいですね。


そろそろ、観たい人はとっくに観ている時期だと思われますが、以下ネタバレ。
最初のシーンでいきなりの新キャラ真希波マリの戦闘シーン、ここが観たくて2度目に足を運んだようなもので、真希波マリは予想をはるかに超えてチャーミング。最初、「劇場版には新キャラが…」ってニュースを目にした時は、「やーめーてーよぉー」と口走ったものですが、真希波マリいいです。エントリープラグ内のハンドル(?)をがっちゃんがっちゃん動かしてる様が、非常に好きです。声は坂本真綾さんという方で私の中ではホスト部のハルヒの人です。ホスト部もハルヒの声が嫌じゃなかったから観始めたようなものです。あと、コドモトコ(攻殻機動隊TVのほう)もこの方だとか。なるほどー。

真希波マリの登場でテンションがあがったところに、待ってましたの赤いエヴァ。エヴァはもともと人間に近いフォルムですが、まるで機械体操や曲芸師のように、駆け飛び回る様はしなやかで画面に釘づけ。(初号機の今回の走るシーンも)

私はエヴァのキャラのなかで、アスカが好きで好きで。
今回の劇場版が公開され始めるまでは、一番人間臭くてかわいいと思ってたんですね。
(今回の劇場版はみんな人間臭く、いい感じです)
ちょっと、劇場版にはアスカは出てこないんじゃ…って不安もあったので、変わりない「あんた、バカァ?」にほっとしました。 3馬鹿とアスカのやりとりは、ほんと楽しい。

「みんな、つらいのよ」
辛いと辛いと言えちゃう(そんな自分に自己嫌悪)子供。
辛さを隠して、努力(勉強や戦闘能力向上)で自分を武装し、強がってる子供。
辛いがわからないけど、辛いを容認するしか術がない子供。
エヴァはそんな3人の子供が生きるお話。

強がるアスカに、今回人との触れ合いの喜びをみつけるシーンがあったのが印象的でした。
TVのアスカの辛いのをがんばってる様って、視聴者にしか深く理解できない形だったと思うんですね。でも今回はミサト(アスカとミサトは似てますよね)が理解をしてあげてくれて、綾波がアスカの気遣いに感謝の言葉を自分の意志で伝えてあげた。
よかったねぇー、よかったねぇー、と泣かずにはおれなかったですよ。
ま、そのあと、ショッキングだったけど。

TV版ではアスカが好きなのもあるけど、綾波の良さがさっぱりわからなくて。ストーリーの重要な要ではあるけど、所詮うごく人形じゃないさ、とまったく感情が入らなかったものですが、劇場版の綾波は違うよ。
今回の一人目の綾波はみすみす破壊させて代わりを出すには惜しい成長ぶりで、とりあえずシンジが助けてくれてよかった。
(そのあとどーなるの?って感じですが)
シンジの綾波を助けるシーンの声優さんの演技がすごいです。

あと、大人勢がどんどんよくなりますね。
旧劇場版で、一番好きなシーンはゲンドウがユイと再会(?)するところなんだけど(この文章打つだけで泣けるほど)、よりゲンドウの感情がわかりやすい。

今回、アスカは悲劇に見舞われたけど、かわりに「ハズレ」だったトウジが退院する妹を迎えに行く、短いシーンがよかったです。
辛いシーンとやさしい楽しいシーンが交互に訪れて、とても充実した、観終わったあとの満足感が高い映画です。
となりの、映画中クッチャクッチャポップコーン喰ってたアベックの男子(退屈そうに観てた)が、最後のカヲルの台詞に 「なんじゃ、そりゃ!」って真剣につっこみ入れてたのが、おかしかった。

マルタのやさしい刺繍2009年04月05日 18時10分22秒


「マルタのやさしい刺繍」は2006年制作のスイス映画。
原題は「Die Herbstzeitlosen」。この邦題わかりにくい。

スイスの田舎町で夫を亡くしたマルタが、若い頃の夢「ランジェリー屋さん」になることで、明るく生きるお話。
主人公マルタはもう80も半ばの女優さんで、当然腰は曲がってるし、顔も手もしわくちゃ。でも登場する女性のなかでもピカイチなかわいさ(友人たちもかわいいんだが)。そのしわだらけのか細い手で、亡き夫のナプキンリングを愛おしそうになでるだけで、作中には一度も登場しない夫をいかに愛していたかが伝わってきます。
スイスの風景や食べ物のシーンが楽しい。飲食店のシーンで平たい皿に山盛りのメレンゲ?生クリーム?って感じのものを食べてるカップルが映ってたんだけど、あの食べ物なんだろ?映画って自分が行かないであろう場所の景色を観られるのも楽しみのひとつですね。
ラストシーンの丘にたくさん咲いているピンクの花が原題のDie Herbstzeitlosenのようです。

刺繍をするシーンは少ないんだけど、スイスって刺繍大国なんだそうで。ググったら刺繍の切手の画像が見られます。これはいいなー、欲しいな。
スイス以外にも刺繍の切手ってあるみたい。日本もなにか出さないかな。こぎん刺しなんていいと思う。

里見八犬伝2009年04月04日 23時47分36秒

「里見八犬伝」、とういうのは1983年に公開された角川映画です。
角川映画ってタイトルは知ってるけど、観たことないというのが多くて、なにか観てみようと思ってまず観たのが「魔界転生」。
これがよかった。古い作品なので技術的に頼りない感じな部分は否めないけど、独特な雰囲気と役者のキャラの立ちっぷりが。
「魔界転生」を観たのは「若い頃の沢田研二のかっこよさ」を確認するためだったんですが(観たことなかったから)、真田広之にやられましたよ。むちゃくちゃかっこいいではないですか。
もちろん元からかっこいい俳優のイメージは強いのですが、若い頃を観たのが初めてだったので、この衝撃はでかかった。
で、若い真田広之を観るための「里見八犬伝」です。

これもよかった。薬師丸ひろ子がまぶしいくらいかわいい。でもかわいいだけじゃなくて、ちゃんと困難に立ち向かいながら成長する感じがでてる。これで当時19歳ですよ。
薬師丸ひろ子といえば「探偵物語」が印象深くて、今、この映画評をググったらずいぶん評価が低くてびっくりした。
どうも不動の人気の松田優作の工藤探偵事務所のほうの「探偵物語」にひっかけたタイトルだったのが不評の要因のひとつのようですが、なかなか映画もすてきなんですよ。工藤とはまったく違うタイプの探偵な松田優作と、薬師丸ひろ子の女子大生っぷりが。
うっかりCSで観て号泣してしまった映画なので、以後観てないんですけど、また観るかなぁ。
「里見八犬伝」は「探偵物語」よりあとなんですね。

「里見八犬伝」は「魔界転生」以上にどの俳優さんもキャラが立っててすてきでした。
志穂美悦子、岡田奈々が美しすぎる。夏木マリは若いけどもう今観るような夏木マリの顔と迫力。真田広之のすごい長髪と衣装がつぼにはまりまくり。殺陣も筋肉があるから嘘っぽくなくて、観てて飽きない。
ストーリー的にはわかりやすいお話なんですが、観出すとひきこまれてあっという間に時間が経ってしまいます。人が死ぬシーンが結構グロかったりするのに、ラストシーンがほのぼのしててよかった。
数年前にテレビでジャニーズの人がやってて、テレビで見た気がするんだけど、キャストもシーンも何も印象に残ってない。この差はなんなんだ。

天才マックスの世界2009年03月09日 20時45分20秒

天才マックスの世界
出演: ジェイソン・シュワルツマン, ビル・マーレイ
監督: ウェス・アンダーソン

去年から、「ダージリン急行」という映画を気に入って何度も観ているんですが、同じ監督のものも観てみよう、とレンタルしてみました。

邦題が微妙つか、なんでコレ?って感じなんですね。 原題は「RUSHMORE」(物語の舞台になる学校の名前)です。 ジェイソン・シュワルツマンの演じる15歳のマックスが主人公。
このジェイソン・シュワルツマン、当時本当に高校生だったらしくて、若くてかわいらしいんだけど、すごい存在感のビル・マーレイを余裕で喰ってる感じです。

私は想像力とか感受性が追っ付かないのか、洋画は「外国のお話」と言う感じで、一線ひいて鑑賞してしまうのですが、ウェス・アンダーソン監督の作品は鑑賞は2作品目だけど、どうもとっぷりはまってしまうようです。
にやにや笑い顔で観ちゃうんだけど、胸の奥がぎゅーっと締め付けられる感じがする。同じ経験はなくとも、そこの切なさ痛さがわかる!ってシーンがあるんですね、とっても。登場人物がみんな愛おしく感じてきてしまう。

また、映像がいいです。この画面ずっと観てたい、って思うシーンがいくつも出てくる。音楽もツボにはまりまくり。サントラ買っちゃうかも。